演題 | 講演者 | 所属 |
二次電子・反射電子の検出と像の見え方 | ||
柴田昌照 | ||
見やすくするための試料作製法 | ||
材料系試料 | 稲里幸子 森田順子 小寺沙己 溝口恵理子 |
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生物系試料 | ||
FIBを使って観る−SIM像の特性と応用− | 柴田昌照 小倉一道 |
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ここまで見える低真空SEM | 鈴木猛夫 伊藤寛征 伊東祐博 |
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画像処理で見やすくする |
夕食後:アカデミックサロン |
演題 | 講演者 | 所属 |
結晶性試料からの情報 | ||
チャネリング情報利用の基礎 | ||
EBSPの原理と応用 | ||
材料開発におけるチャネリング情報利用の実際 | ||
カソードルミネッセンス情報の応用 | ||
STEMの応用と薄膜のEDX分析 | ||
SEMで寸法を正しく測るには? | 鈴木猛夫 多持隆一郎 |
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演題 | 講演者 | 所属 |
イントロダクション | ||
見えない組織をSEMで見る−血管− | ||
免疫SEM法による白血球接着分子の観察 | ||
癌の転移過程をSEMで探る | 高間みちほ |
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硬組織とSEM −SEMによる歯の観察法− | ||
ここまで進んだカラーSEM | 鈴木猛夫 山田満彦 川俣 茂 伊東祐博 |
二次電子・反射電子の検出と像の見え方 |
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小野昭成(日本電子データム),尾辻晴男・柴田昌照(日本電子) |
試料表面から放出される電子のエネルギーは幅広く分布しており、特定のエネルギーの電子を検出することで試料に関する異なった情報を得ることが出来る。 また、検出器が置かれている位置によって特定の方向に放出された電子のみを検出することが出来るため、照明方向の違いによるコントラストを得ることが出来る。 SEMには種々の検出器が取り付けられているが、その特性をうまく利用することで今までとは全く違う像を得ることが出来るだけでなく、帯電といった像障害を軽減することも可能である。 |
見やすくするための試料作製法−材料系試料 |
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藪内康文・稲里幸子・森田順子・小寺沙己・溝口恵理子(松下テクノリサーチ) |
電子材料を中心とした材料系試料では、評価目的に合わせて、試料前処理の技術がSEM観察結果に大きく影響する。 本講演では、破断法、へき開法、研磨法、研磨+ミリング法、反応性イオンビームエッチング法、FIB法などの試料作製法を応用した電子材料のSEM観察例について報告する。 試料作製法によるSEM観察結果の比較例と各々の特徴を紹介する。 |
見やすくするための試料作製法−生物系試料 |
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近藤俊三(三菱化学生命研) |
観察目的によっては組織を覆う皮膜や細胞・結合組織・粘液、あるいは細胞膜や蛋白質を除去することが必要となる。 また、除去することで目的構造を明確に解析することが出来る。 今回、細胞質除去法、細胞膜除去法、結合組織除去法、組織細胞除去法などを通じこれらの諸方法の有用性を考えてみたい。 |
FIBを使って観る−SIM像の特性と応用− |
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鈴木俊明・柴田昌照・小倉一道(日本電子),小谷野英勝(トーテック),釜崎清治(都立大院),市ノ川竹男(早大理工) |
SEM像とSIM像の比較を行った結果次のようなSIM像の特性が明らかになった。 1. 試料最表面の情報が得られる。 2. チャンネリングコントラストがSEMと比較して顕著である。 3. 2次電子のコントラストは原子番号に依存し、その明暗はSEMとほぼ逆転している。 これらの特徴を知った上でSIM像を利用することにより、FIBは観察装置として、あるいはSEM観察の補助手段としてFIBは有効な手段となる。 |
ここまで見える低真空SEM |
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多持隆一郎・鈴木猛夫・伊藤寛征・伊東祐博(日立サイエンスシステムズ) |
低真空SEMは、絶縁物試料や水分・油分を含んだ試料をそのまま観察できることから、各種材料の品質管理や故障解析を行う装置として広く普及してきた。 また、低真空領域における高分解能のニーズに応えるために、ショットキー型電子銃を搭載した低真空SEMも開発された。 今回は、本システムを用いて、特に微細化する電子材料デバイスの無処理観察を低真空領域で試みたので報告する。 |
画像処理で見やすくする |
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於保英作(工学院大・工) |
SEM像の画質の良し悪しは、SEM操作条件のみならず観察試料の性質に大きく影響される。 講演では、得られた画像に対して画質改善を試みる場合の注意事項・鉄則について議論する。 加えて、信号取得前の工夫でSEM像に含まれる有益情報を増大させ、後の画像処理の負担を軽減して効果を上げる方法などについても話をする。 画像処理でSEM像を本当に見やすくするためには、SEM画質の定量化が急務である。 |
チャンネリング情報利用の基礎 |
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吉田 明(武蔵工大・機器分析) |
SEMで結晶の情報を得るには電子チャンネリング現象を利用することで可能となる。 現在,電子チャンネリング情報を利用する手法として考えられているのがECC(Electron Channeling Contrast),ECP(Electron Channeling Pattern),EBSP(or EBSD)(Electron Backscattered Diffraction Pattern またはElectron Backscatter Diffraction)などがある。 今回はこれらの手法の基礎的な特徴の比較と特別なアタッチメントなしでも観察出来るECCの観察法などを紹介する。 |
EBSPの原理と応用 |
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鈴木清一(テクセム・ラボラトリーズ) |
EBSPの原理を簡単に紹介し、バンドの検出、その指数付さらに方位の算出をどのようにして行っているかを解説する。 また、最新のFE-SEMとの組合せによる測定上の注意点や、EBSP解析において特徴のある解析法について具体的に2-3の紹介を行う。 |
材料開発におけるチャネリング情報利用の実際 |
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杉山昌章(新日鐵・先端技研),高M敬子(日鐵テクノリサーチ) |
FE−SEMへのEBSP装置の適用により、結晶方位解析技術における分解能が飛躍的に向上している。 実用材料開発で重要な相変態組織や強加工組織における解析事例を紹介する。 一方で、ナノプローブ化されたが故に、微細な表面凹凸が測定誤差を生む原因となることもあり、試料表面性状に対する考え方も議論したい。 |
カソードルミネッセンス情報の応用 |
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一色俊之(京都工繊大・工芸) |
カソードルミネッセンス(CL)は電子ビーム照射による発光現象であり、これを用いて物質の電子状態分析をミクロスコピックに行うことが可能である。 講演では、CL法の原理や装置構成、観察上の留意点について簡単に述べた後、半導体材料,セラミックスデバイス解析への応用例を紹介し、通常のSEM法TEM法では得られない情報の活用について議論する。 |
STEMの応用と薄膜のEDX分析 |
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藤谷 洋(日本 エフイー・アイ) |
最近、SEMの分解能を超えるひとつの方法としてFE-SEMにおけるSTEM法という観察方法が注目されている。 STEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)法とは細く絞り込まれた電子線を試料に照射し、その時に透過した電子(弾性散乱電子、非弾性散乱電子、非散乱電子)を検出し像として形成する観察法である。 このSTEM法をFE-SEMに用いた時の装置構成、STEM像観察の原理、観察例、EDXでの分析例について紹介する。 |
SEMで寸法を正しく測るには? |
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山田満彦・鈴木猛夫・多持隆一郎(日立サイエンスシステムズ)、熊田隆雄(日立・計測器) |
半導体プロセスをはじめ多くの分野で、SEMを用いた寸法計測が急速に普及している。
しかし、測定によって得られた値が正しいかどうか厳密に吟味される機会はほとんどなく、測定場所/日時、測定者/条件、測定装置/環境などによって測定値が異なるという不具合が生じている。
そこで、最近では計測結果の信頼性表現に関する国際的なルールがつくられており、その骨子は 1. 測定結果がSI単位系または国家(国際)標準にトレーサブルであること、 2. 測定結果に不確かさが付記されていることが必要である、 などである。 ここでは、この表現法に従って汎用形SEMを用いた微小寸法計測を試みた例を紹介する。 |
SEM技法の組織化学への応用−イントロダクション |
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高田邦昭(群馬大・医) |
組織や細胞における物質の分布・局在を可視化する技法である組織化学は、光学顕微鏡レベルからはじまって、現在では電子顕微鏡レベルにまで広くおこなわれている。 電子顕微鏡への応用は超薄切片を使った透過電顕観察が中心であるが、広い領域を高い分解能下に一望のもとに観察できるSEMは、これからもっと使われていく技法であろう。 このセッションでは、SEMでの組織化学の活用とともに、得られた画像の処理まであつかって論議を深めたい。 |
見えない組織をSEMで見る−血管− |
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近藤俊三(三菱化学生命研) |
組織化学の技法を用いて特定物質を検出する場合、通常は何らかの方法で目的組織を露出し染色あるいは標識物をつけて解析する。 従って細胞で覆われた特定組織をその表面から同定することは困難である。 今回、マウス胎仔の肺胞と腎糸球体を用い、組織表面から組織内部の血管を同定する方法を紹介しる。 また血管と周辺細胞との相互関係にもふれる。 |
免疫SEM法による白血球接着分子の観察 |
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城倉浩平(信州大・医) |
UW(University of Wisconsin)臓器保存液を用いた免疫SEM法について、白血球表面細胞接着分子の3次元的微細局在の解析を例に、その有用性および問題点を検証する。 マウス消化管穿孔により惹起した腹膜炎において腹腔に遊走した白血球、あるいは大網乳斑マクロファージのインテグリンの所見を中心に、それらのリガンドの局在と併せて供覧する。 |
癌の転移過程をSEMで探る |
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高橋一郎・高間みちほ(帝京大・医) |
正常な細胞が癌化・組織からの離脱・組織周囲の線維性間質侵入・間質中の毛細血管への浸襲する過程を形態学的に調べることは、癌細胞の転移とその防御を明らかにすることにつながる。 その際、これらの領域における組織と癌細胞の関係を微細形態的に検討するには、間質中細胞外マトリックスの可溶化処理と、SEM&共焦点レーザー顕微鏡による三次元的観察が有効であった。 |
硬組織とSEM −SEMによる歯の観察法 |
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三島弘幸(日大・松戸歯) |
演者はこれまで主として,エナメル質,象牙質,セメント質といった歯の硬組織の中でも象牙質を研究対象として研究を進めてきた。 種々の研究手法の一つとしてSEMを用いてきた。 硬組織の試料作製法で,演者が用いてきた破断試料作製法,研磨法と酸による腐蝕法(エッチング法)の併用,研磨面の有機物の剖出法(NaClO処理法や塩酸・コラゲナーゼ処理法)等を紹介する。 観察法として,汎用SEM,FE-SEM,環境制御型SEM,原子間力顕微鏡,共焦点レーザー顕微鏡による像を供覧する。 |
ここまで進んだカラ−SEM |
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西村雅子・鈴木猛夫・山田満彦・川俣 茂・伊東祐博(日立サイエンスシステムズ) |
低真空SEMは従来の前処理を省略して含水試料を収縮・変形の少ない状態で観察できることから、食品分野において有用な知見をもたらしている。 しかし食品の主成分は炭水化物、タンパク質、脂質などの有機物で構成されているため、形態と成分分布の相関を捉えることは困難であった。 このような背景から、今回は光顕用薄切標本の染色法をSEM用バルク試料の染色に応用し、高分解能で立体的な情報を有するSEM像とカラー情報を有する光学顕微鏡像の利点を併せ持つカラーSEM像による形態および成分分布の同時観察について報告する。 |