演題 | 講演者 | 所属 |
イントロダクション | 10:00〜10:30 | |
生物系の立場から | 近藤俊三 | 三菱化学生命研 |
材料系の立場から | 米光恭子 | 材料科学技術振興財団 |
帯電現象の克服 | 10:30〜12:30 | |
プラズマイオンシャワー法による絶縁物の無蒸着SEM観察 | 高橋一郎,高間みちほ | 帝京大・医 |
赤堀 宏,吉田寿治 | 真空デバイス | |
オスミウムプラズマコーティング法の活用 | 中川美音 | 日立サイエンスシステムズ |
メッシュ法(帯電防止の補助として) | 吉田 明 | 武蔵工大・機器分析 |
オージェ電子分光における絶縁物試料の帯電防止法 | 長澤勇二 | 日本電子 |
一言コーナー | ||
2次元/3次元像の定量化 | 13:30〜16:25 | |
寸法精度を上げるには − ユーザーの立場から | 稲里幸子 | 松下テクノリサーチ |
寸法精度を上げるには − メーカーの立場から | 山田満彦 | 日立サイエンスシステムズ |
SEMによるステレオ観察と計測法 | 根岸 勉 | 日本電子 |
ステレオ法による3次元自動測定 | 馬場則男 | 工学院大・工 |
三次元測定SEM | 堀田昌直 | エリオニクス |
一言コーナー | ||
立体表示の臨場感向上への試み | 16:30〜16:45 | 高橋一郎、他 |
ミキサー |
プラズマイオンシャワー法による絶縁物の無蒸着SEM観察 |
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高橋一郎,高間みちほ(帝京大・医),赤堀 宏,吉田寿治(真空デバイス) |
生物試料など,電気の不良導体試料をSEMで観察するには金属蒸着などの導電処理が最も一般的であるが,金属蒸着を行わない試料表面の直接観察はSEM出現当初からの課題であり,無蒸着試料の直接観察法として低加速電圧SEM観察法が提案されてきた。 われわれは高価な装置を使用せずに,通常のSEM観察条件下で手軽に無蒸着観察できるプラズマイオンシャワー法の効果を検討した。 |
オスミウムプラズマコーティング法の活用 |
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中川美音(日立サイエンスシステムズ) |
オスミウムプラズマコーティング法は、SEM試料表面の凹凸に対する回り込みが良く、均質で密度の高いアモルファス状の膜を形成できることから、特に高倍率像観察のための優れた帯電防止膜形成手法として普及しつつある。
このコーティング法を用いてオスミウム膜を形成した試料表面からの二次電子放出効率は、金や白金に比べてやや劣るとされているが、これは逆に免疫SEM法におけるコロイド金の検出などには好都合である。
また、この手法は原理的にコーティングレートが高いという特性を有している。しかし、この特性が逆に極めて薄い領域の膜形成において、その制御性を劣化させているという側面も指摘されている。 ここでは、オスミウムプラズマコーティング法の特長を活かしたいくつかの応用例を掲げながら、この手法を上手に活用するための勘所などを紹介する。 |
メッシュ法(帯電防止の補助として) |
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吉田 明(武蔵工大・機器分析) |
メッシュによる帯電防止法は光電子分光法(XPS)でよく利用されているが、SEMでは殆ど報告はなく、以前にSCANTECHで紹介した程度である。
SEMにおけるこの方法は帯電を完全に防止する目的ではなく、帯電防止補助として利用できる。
即ち、表面形状の複雑な試料の場合、通常の蒸着では勿論、スパッタ蒸着でさえもかなり厚く蒸着をしなくては帯電を防止することができない。
そこで、薄く蒸着した後、金属メッシュを試料表面に乗せるか、金属メッシュを乗せた後に薄く蒸着して、電気的導電路を確保し帯電を防止する。 この方法はストッキングのような試料の観察に有効である。この他、メッシュの大きさや加速電圧の違いが帯電防止効果にどのような影響を与えるか検討する予定である。 |
オージェ電子分光における絶縁物試料の帯電防止法 |
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長澤勇二(日本電子) |
オージェ電子分光法において絶縁物試料のチャージを防ぐために広く用いられている二つの方法を紹介する。 一つは試料傾斜法であり、他の一つはイオン照射による中和法である。 試料傾斜法は、試料を傾斜させ、二次電子の放出量を入射電子の量以上に上げてチャージを防ぐ方法である。 イオン照射法は、20V程度のエネルギーの低いArイオンを試料に照射し、試料表面に帯電している電子を中和する方法である。 走査電子顕微鏡に比べ、オージェ電子分光法は使用する照射電流量の範囲が10-12Aから10-7Aと広く、チャージを防ぐのは難しいが、試料傾斜法とイオン照射法を併用することにより、絶縁物分析に多くの成果を得ている。 |
寸法精度を上げるには − ユーザーの立場から |
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稲里幸子(松下テクノリサーチ) |
近年、半導体を中心に高集積化が進み、微細加工のパターン形成などデバイスを評価する上で計測することは不可欠である。
また、最近のSEMは高分解能化に伴い、高倍率の観察が可能になっているため益々高分解能SEMを用いて計測することが非常に多い。
しかし、SEMの場合、レンズやCRTの歪みなどの影響で±10%程度の誤差(メーカー保証値)を含むとされている。
計測したい対象物の大きさを議論するときに常に寸法精度が問題になってくるが、SEMにはスケールが表示されているため意外とこれらを正確に把握せず、誤って計測するなどということが発生してしまうのが現状である。 このような落とし穴が生じないために、また、ISO規格に伴い、ユーザーの立場から疑問に思うこと並びにメーカーに期待することについて述べる。 |
寸法精度を上げるには − メーカーの立場から |
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山田満彦(日立サイエンスシステムズ) |
一般に、寸法測定精度(精確さ)は、真度(真の値からの平均値の偏り)および精度(バラツキの程度、つまり再現性、繰り返し性など)の総称とされている。
従って、測定精度を向上させるには、前者においては絶対寸法標準が必要とされ、後者に対しては測定パラメータの最適化、装置の安定度や直線性の向上、コンタミネーション等外乱の低減などが要求される。 実際のSEMによる測定では、標準マイクロスケールのような絶対寸法標準を用いることにより偏りを校正でき、適切な測定条件下での精度は半導体プロセス用SEMで±1%(3σ)または±3nm(3σ)の大きい方の値、汎用形SEMで±5%(3σ)が得られる。また、汎用SEMによる三次元計測の場合も同様で、適切な微小高さ標準を用いることにより高さ寸法の偏りを校正すれば、二次元計測とほぼ同様の精度で測定が可能である。 |
SEMによるステレオ観察と計測法 |
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根岸 勉(日本電子) |
SEMの持つ深い焦点深度は試料の立体的な構造を理解する上で重要であるが、反対に焦点深度が深いゆえに一枚の写真からは奥行きの情報を読み取ることが困難な場合もある。
この様な場合に簡単に有用な情報を得ることができる方法としてステレオ観察法が知られている。
ステレオ観察法は同一視野について試料傾斜を変えて撮影した2枚の写真を使って立体的な構造を観察したり、計測を行なうことが可能である。 本講演ではステレオ観察法の具体的な手法や測定精度を上げるための注意点等を報告する。 |
ステレオ法による3次元自動測定 |
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馬場則男(工学院大・工) |
上手にできたステレオ写真を観察すると、たかだか2枚の像だけで驚くほど簡単にその物体の立体を認識することができる。
ヒトが脳で構築するその3次元物体を何とか現実の実空間に出力したいものである。 この目的のために開発されているのが、コンピュータおよび画像処理技術による3次元自動測定法である。 既に、一般画像処理の分野においても、以前よりこうしたソフトは市販されて来たが、走査型電子顕微鏡像を対象としたものに話を限っても、その使用条件や限界を知らなければ、思わぬ結果しか得られないことになる。 本講演では、これらのことを基本から知っていただくために、自動測定の原理(視差をどうやって認識するか)を、PCによる実演を交えながら説明する。 また、何が測定限界を決めているのかなどについて、その現状と打破するための試みなどについて報告する。 |
三次元測定SEM |
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堀田昌直(エリオニクス) |
試料表面から発生する2次電子の量は,入射電子プローブの入射角と一定の関係を持っている。
これを利用すると検出された2次電子量を演算することによって試料の三次元的な測定を行うことが出来る。 本講演では,複数個の2次電子検出器を使って三次元測定ができることの根拠を数学的に説明し、最近の測定例を発表する予定である。 |
立体表示の臨場感向上への試み |
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高橋一郎、他 |
色々な分野での,立体感に富んだステレオ写真をお見せします。 一般参加者からのプレゼンテーションも可能です。 |
一言コーナー |
単純な質疑応答だけでなく,講演内容に関連した自由な発言を歓迎します。 こんな工夫をしている,こんな悩みがあるといったことでも結構です。 OHPによるプレゼンテーションも可能です。 |
ミキサー |
気軽な雰囲気で,講師と直接,あるいは参加者同士の自由なディスカッションの時間をお楽しみ下さい。 パソコンを使った簡単なプレゼンテーションも可能です。 |